見習いシェフ2話[マスターシェフ]
【大食堂-厨房】
ハンバーグを作ろう2~編~


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シェフ。味付けについてお聞きしたい事があるのですが、よろしいでしょうか?

[シェフゴースト]
なんだい?

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このハンバーグは俗に言う、家庭の味と呼ばれる素朴な味付けを完成形としていますよね?
ですが話によると、家庭の味とは家によって異なるものだとか。
どうやって再現を?

[シェフゴースト]
そんなの簡単だよ!
適量、って書いてある部分をくんの好みにして、君の家庭の味に近づけていけばいいのさ。

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私の、家庭の味……
それは……分かりかねます。

[シェフゴースト]
どうして?

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私の両親は、幼い頃に他界しています。
それから私を育ててくれた養父は……その、独特の調理法を持った方でして。
料理の手本にはなってくれませんでした。
ですから私の味付けはシルバー同様、自己流なんです。

[シェフゴースト]
それならその自己流の味が、君の家庭の味になるんだよ!

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ですが……
所詮は付け焼き刃のものですし、素人のものではとても提供出来る料理になり得ません。

[シルバー]
の料理は十分うまいと思う。

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[シルバー]
が居なかったら、今ここに俺は居ない。それはお前だって知ってるだろう?
俺やセベクの為を思って自己流で学んで、嫌いな火だって克服して料理をしてくれた。
それがどんなに有難い事だったのか、今ならわかる。
そうやって作ってくれた料理は、とても美味しかったよ。

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シルバー……

[シェフゴースト]
そうそう!大切な人を想って作る料理が一番美味しいんだよ!
愛情は最高の調味料だからね。
こうやって好きだって言ってくれる人も居いるのだから、胸を張っていい。
君と、君が想って作った相手が美味しいと思う事が大事なんだ!

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はい、わかりました。
! それならシェフ、ハンバーグにアレンジを加えても問題ありませんか?

[シェフゴースト]
アレンジ?よっぽど原型からかけ離れていなければ問題ないよ。

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了解しました。せっかくですし、私なりの家庭の味を久しぶりに再現してみようかと。
ハンバーグのタネを、こうして…っと。付け合わせの野菜は…こんな感じで如何でしょう?

[シェフゴースト]
なるほど~!うん、とってもいいと思うよ!


【大食堂-審査会場】


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審査員は貴方ですか。寮も学年も別ですが遠慮は要りません。
忌憚ない意見をお願いします。

[デュース]
ウッス!いただきます!
……なんか、先輩の料理って意外ですね。

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[デュース]
ハンバーグは星の形だし、付け合わせの野菜は花みたいに切ってあって……
こういう事するタイプじゃないと思ってたから、意外です。

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家庭の味を再現してみたんですよ。
シルバーとセベクが幼い頃に作ったハンバーグです。
そのまま出すと野菜を食べないので、見た目を楽しめるものにしていたんです。

[デュース]
セベクが先輩の料理に文句を言うなんて、今の姿からは考えられないな……
ん?先輩だってそんな年齢変わらないんじゃ……?

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ほら、早く食べてください。せっかくの料理が冷めてしまいます。

[デュース]
すっ、すみません今食べます!

─間─

[デュース]
ご馳走様でした。美味かったです。

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お粗末様でした。
貴方の家庭のと比べて如何でしたでしょうか?

[デュース]
俺の家庭の味ですか?
うーん……やっぱり母さんの方が美味かったというか……
いや!別に先輩の料理が不味かったわけじゃ!

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大丈夫ですよ。
貴方のお母様が、貴方を想って作ってくださった料理に勝てるなんて思っていません。
それぞれに大事な味があるのは知っています。
味というか、味付けの好みですね。今後の参考にしようかと。

[デュース]
それなら、俺の家はもうちょっと濃いめの味付けでした。
確かソースに隠し味があるって言ってた気がするな……

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それは興味深いですね。今度レシピをお尋ねしても?

[デュース]
もちろん!母さんに電話したときに聞いてみます!

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ありがとうございます。
これでまた、大切な人たちに作ってあげられるレシピが増えます。