見習いシェフ1話[マスターシェフ]
【大食堂-厨房】
ハンバーグを作ろう1~編~
[シェフゴースト]
くん、君はどうしてマスターシェフに参加を?
シルバーくんよりも調理は手慣れているようだし、ミスも少ない。
今のままでも自炊するには全く問題ないレベルだよ?
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参加を決めたのは、調理用の電化製品の扱いを学ぶ為です。
シルバーも言っていましたが、茨の谷では電化製品がほぼ無いと言っていいので。
ですが……私は、あまり火と関わりを持ちたくなくて。
なので機械で調理を賄う方法を学びにきたんです。
[リドル]
火を使えないのに、料理がここまで出来るものなのかい?
それに君は、確か授業では問題なく火の魔法を使っているように見えたけれど……
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無論、使えないわけでは無いですよ。
どうしても必要な時は諦めて自力でなんとかするか、火の妖精の力を借りていました。
ほら、厨房にも居るでしょう?
[火の妖精]
パチパチ……パチパチ……
[リドル]
しかし、なら余計に電化製品を使う必要はないだろう?
茨の谷では、コンセントのある家すら少ないとさっき言っていたじゃないか。
火の妖精の力だけを借りていれば済むだけの話なんじゃ……
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妖精の力を借りるには、それ相応の対価が要るんです。
ここの火の妖精は、鏡の間の魔法石から供給される魔力を対価にしていると以前学園長が仰っていました。
それと同様、協力を仰ぐには相応の見返りが必要です。
そしてそれは大概、自分で魔法を使うより労力が要るんですよ。
それに、先程も言った通り関わりたくないんです。
火が嫌いなので。
コンセントがないのなら、雷の魔法を使うので問題ありません。
[リドル]
そこまでして使う意味はあるのかい?!
[シェフゴースト]
なるほど、そういう事なら君には最初からその前提で話を進めるね。
向こうの台はコンロがIH仕様になっているから、それを使うといいよ。
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ありがとうございます、助かります。
[シェフゴースト]
じゃあ早速調理に取り掛かろうか!