宝物を探して



※メモリーピース「陽の射す図書館」のストーリー基盤

日差しが柔らかく降り注ぐ図書館の一角。
友達である青い鳥の居場所を探す手掛かりを求めて図書館を訪れたミチルは、偶然居合わせていたセフィル、ハク、そしてに協力してもらいながら図鑑を探していた。
「ねえハク、手掛かりはあった?」
はるか上に設置された本棚を眺めていたはひらりと舞い降り、ハクの持っていた本に視線を向ける。
「いいや、これも違う」
「残念。じゃあ今度は右上の本棚を探すから、ハクは逆の方から見て頂戴」
「わかった」
慣れた様子で本の捜索を再開する二人。その様子を眺めていたミチルはぽそりと呟いた。
「ハク王子とはいつもこうやって本を探しているの?」
「えぇそうよ。私は色んな国に散らばった魔導書を探しているんだけど、たまにハクにも手伝ってもらうの。だから本を探すのには慣れてるわ」
「そうなんだ…」
「それにこんなに広い図書館で目当ての本を探すのって、宝探しみたいでワクワクしない?」
悪戯っぽい笑みでウインクしてみせたに、ミチルはきょとんとした顔をした。
「宝探し…?」
「それは素敵ですね」
2人の話を聞いていたセフィルは穏やかに微笑む。
「大切な友達は貴方にとって宝物のようなもの。それを探す為のヒントを探すのは、まさに宝探しと言えると思いますよ」
「宝物……あの子はぼくの宝物でもあるんだね」
ミチルは鳥籠を抱きしめると、そっと目を伏せた。その様子を見守る3人。
光の溢れる図書館には、どこまでも優しい時間が流れていた。