君がそう願うなら
「ダイゴさあぁぁああん!!!!!」
「っ?!」
ラグラージのとっしんを彷彿とさせるような勢いのあるタックルに、一瞬息が詰まる。なんとか体制を保ちつつ、ダイゴはを抱きとめた。
「ど、どうしたんだい…?」
はいつも唐突に現れるが、今日はいつにもまして唐突だ。
「私って、そんなにダイゴさんのこと美化しすぎですか?!」
「………はい?」
内容まで唐突で突飛。正直ついていけない。
そんなダイゴの様子を知ってか知らずか、は言葉を続ける。
「だって…さっきミクリさんが『ダイゴはそんなにカッコよくないし、ただの石オタクだ』って言ってて……」
「………」
今度ミクリとじっくり話し合う必要がありそうだ。常々失礼な奴だとは思っていたが、ここまでとは思わなかった。
「まぁその点に関しては否定しませんが、そこの中にも良さがあるって言ったら『美化しすぎ』だって」
「………」
どうやらの考えも正す必要があるらしい。
「ダイゴさんはカッコいいですよね?」
突然、真剣な瞳でボクを見つめる。
「!」
さっき『カッコよくない』に賛同した口で良く言えたものだ。だが、そんな風に素直に言えることは愛すべき点でもあって。
「………」
何とも言えない気持ちになって苦笑する。
時には刃向かって悪態をついてみたり、すぐに機嫌を直して満面の笑みで微笑んでみたり。そんな変化が愛おしい。
(なんだかんだ言って、絆されてるな……)
諦めたように微笑むダイゴの瞳は優しい。
「………君がそう思ってくれるならね」
君がそうあって欲しいと願ってくれるなら。
ボクはどんな風にだってなれるよ。